キスはおとなの呼吸のように【完】
「ガラスは、あぶないよ」

声をかけると、しゃがんだままカズトはふりむく。

立っているわたしと、しゃがんだカズト。

絶対的な高低差のなか視線があったが、そこにいつもの笑顔はなく、表にでてしまいそうな感情を必死におし殺す、なんとも奇妙な顔をした赤鼻のトナカイがるだけだった。
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