キスはおとなの呼吸のように【完】
「このまえ大上さんは終電にのり遅れて、シオリの部屋に泊まった。けど、おれが嫉妬するようなことはなにもなかった。シオリがいわなかったってことは、そういうことだもんね。シオリの性格をちゃんと知っていて信じていたはずなのに。なんていうか、おれのほうこそ、かっこうつかない男でごめん」

知っているといっても、まだつきあって日が浅いのだ。
カズトが酔っぱらいに怒ったとき、わたしがびっくりしたように、まだまだおたがい知らない部分がたくさんある。

それならば、わたしは口にしなければならない。

「あのね」

わたしの言葉をカズトが制す。
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