キスはおとなの呼吸のように【完】
「じゃあ、カズト。ごちそうさま。お仕事がんばってください。またきますね」

わたしがそういうと、カズトは露骨に残念そうな顔をしたが、それでもなんとか気をとりなおし、いつものやわらかな笑顔にもどった。

わたしはメタボリックのおじさんに、もう一度頭をさげると、さっさと立ちのみスペースをあとにして、部屋に帰った。

しかたがない。

キスはまた、べつの機会におあずけだ。
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