Vrai Amour ~駿の場合~
大きくなるにつれ、家の事情をわかった上で咲子はそれを受け入れるしかなかった。

あきらめて、結婚した相手はとても優しく子供も大事にしてくれた。

自分の使命はその子供をしっかりと育て上げること。

でも、その子供が育って大きくなると手がかからなくなったことで

寂しさが増大した。

そして、近くにいた秋緒とその穴を埋めるように関係を持った。

けれど、「駿くん」を想う気持ちだけはいつまで経っても色あせず

助けを求めるために、わざと見せ付けていた。

それでも朝比奈は動じなかった。

しかし動じてくれたところで、一家の大黒柱である間はすべてを投げ打って朝比奈の元に行くことは出来なかったのだ。




2年後

私たちは秋緒様と小早川千夏様の婚約パーティに招かれた。
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