【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊦
「ま、置き去りにされたのは置いといて、そのおかげで俺は妃芽と今こうしてるんだ」
…つまりは俺と彩音のお陰で出会って、更には付き合うまでに至ったと?
そんなバカげた話…あるか?
俄には信じられない、その言葉に戸惑いを隠せない。
「…それでも…1週間で付き合うなんでおかしくないか?」
「…いやそれは違うよ。柾樹。」
俺と話していた朝井ではなく、悠士がいきなり会話に入ってきた。
…忘れてたけど悠士いたんだった。
「人を好きになるのに時間なんて関係ない」
悠士はそれだけ言ってまた黙ってしまった。
どうしたんだ…?
悠士は何かを思い出すように遠い目をしていた。
「…そう、本当に時間なんて関係ない。俺は妃芽を好きになったんだって。
まぁ、それはともかく言いたいのは、もう2人の邪魔したりしないから安しろって事だから」
朝井はそう言ったかと思えば、さっさと着替えて部屋を出て行った。