ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
誰とも顔を合わせたくなくて、出来るだけ音を立てないように階段を降りて行く。


少しだけ古いこの家の階段は、ミシミシと音を出していたけど……。


その音量は、あたしの気持ちを察するようにいつもよりも小さかった。


最後の一段を降りてリビングのある左側を見ると、磨りガラスのドアが明るく照らされていた。


それは、誰かがそこにいる事を言葉よりも雄弁に語っている。


思わず足を止めて躊躇していると、不意にボソボソと話し声が聞こえて来た。


それらは、間違いなく両親とお兄ちゃんの声だった。


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