ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
涙を拭った時、視界にウサギのリンゴが入って来て、喉の渇きを感じた。


さっきまで何とも無かったのに、体が急激に水分を欲し始める。


だけど、すっかり色が変わってしまったウサギのリンゴは、干からびていて……。


食欲も無い今、とてもじゃないけど、口に運びたいとは思えなかった。


ノロノロと起き上がって、ベッドから出る。


家族と顔を合わせるのが気まずくて、しばらくの間はリビングに降りる事を躊躇していたけど……。


部屋を出て様子を窺った一階からは静けさを感じて、階段をそっと降り始めた。


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