ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
『俺は……雪と同じように消えてしまうから……』


雪ちゃんは最後に、確かにそう言っていた。


彼の名前と掛けてあんな言い方をしたのなら、あまりにもつまらない冗談だって思う。


だけど……。


きっと、本当の事なんだ。


雪ちゃんには似合わないあの冗談は、命を脅かす“何か”を彼が抱いているって事なんだと思わずにはいられなかった。


だからと言って、これからどうすればいいのかなんて、ちっともわからない。


二度も拒絶されてしまった後では、さすがにもう雪ちゃんに会いに行く勇気は無いから──。


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