ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「それは雪緒君が渚の為に買ってくれたんだから、二つとも渚が食べなきゃダメでしょ」


「違うよ……」


あたしも苦笑を返した後、またプリンに視線を落とす。


「二つあったのは、たぶん『二人で一緒に食べて』って事だよ。だって、“その方が美味しい”から……」


あたしの言葉に一瞬だけ目を見開いた真保が、どこか困ったように微笑んだ。


「雪緒君らしいね」って言いながらプリンを受け取った彼女に、あたしは涙を堪えながら頷く。


口に含んだプリンは温くて、少しだけ食べ難い。


だけど、優しい味がした。


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