ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
雪ちゃんと出会ったのは、まだ文字も書けないくらい幼い頃だった。


覚えているのは、その日が夏の匂いが微かに混じった穏やかな日で、ちょうどこれくらいの季節だったって事。


それから、いつも待ち合わせ場所にしているあの海岸で、お兄ちゃんと遊んでいたって事だけ。


たまたまそこを通り掛かった雪ちゃんが、お兄ちゃんに気付いて手を振った。


他の事は、ほとんど何も覚えていない。


それなのに……。


雪ちゃんに会った瞬間、まだ淡い恋すら知らなかったあたしの胸の奥がときめいていた事だけは、まるで昨日の事のように覚えているんだ。


< 31 / 500 >

この作品をシェア

pagetop