ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
潮騒が響く中、お兄ちゃんの顔が苦しげに歪んでいく。


「雪緒は……もう、来れないんだよ……」


縋るようにお兄ちゃんを見ていたあたしに告げられたのは、残酷な現実。


わかっている。


ちゃんと、わかっている。


だけど──。


「……っ!来るもん……っ!雪ちゃんは、ちゃんと来てくれるもんっ……!」


あたしはどうしてもそれを受け入れられなくて、お兄ちゃんに向かって涙声で叫んだ。


そんなあたしに対して、お兄ちゃんはやり場の無い感情を押し込めるように眉を寄せ、ずっと黙っているだけだった──。


< 463 / 500 >

この作品をシェア

pagetop