それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「さあね。自分で探してみれば?

 ちなみに私は二階のキャバクラにいるから。もうちょっと大きくなったら、遊びにいらっしゃい。おぼっちゃん」


そう言うと、その人は浅野先輩の胸ポケットに名刺を突っ込み、手をひらひらと振りながら去っていった。


しばらく呆然とその背中を見ていたわたしたちだったけれど、ふと、我に返った浅野先輩が、


「大丈夫?」


と、わたしの顔を覗き込んだ。


……全然、大丈夫じゃなかった。


根岸先輩が昨日、あの人とそんなことしてたなんて。


そんなの、すぐに受け入れることなんてできない。


心臓がきりきりする。


痛くて、苦しくて。

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