それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


補講のあと、学校近くのファーストフード店に立ち寄った。


わたしと同じような学生が他にも何人かいて、店内はそれなりに賑わっていた。


レジで会計を済ませ、トレイを持ったままどの席に座ろうか辺りを見回していた時。


みさと先輩を見つけた。


きゅうっと胸が締めつけられた。


根岸先輩のことが好きなみさと先輩は、あの絵を見たのかな。


あの絵を見て、どう思ったのかな。






……そんなの、決まってる。


苦しくて、悔しいに決まっている。


つき合っていたのは過去のことでも、まだ気持ちが残っているのなら、あんなの見たくないに決まっている。

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