それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「あ、あ、ありがとうございます」
かごを受け取り、とっさに棚と生川先輩の間から逃げた。
「かわいいなぁ」
生川先輩は目を細めて、くすりと笑う。
のぼせて、頭から湯気が出た。
「や、や、やだぁ」
恥ずかしさのあまり手をぶんぶん振ったら、かごの中の果物たちが見事に散らばってしまった。
「あらあら」
生川先輩は目を丸くして、そしてまたくすくす笑い、散らばった果物たちを拾う。
「す、すみません」
ああ、なにやってんだか、わたし。
恥ずかしすぎる。