ニューロティック・宴(エン)
『じゃあ聞くけどさ、
詩織は
どうなのよ?』


『え?』


『本当は医者なんかに
なりたくないんじゃないの?』


『何でわたしの
話になるのよ?』


『ついでだから
丁度いいじゃない。

詩織がわたしの
家庭に口出しするなら、
わたしも詩織の家庭に
口出しするわよ。

それがフェアってもん
でしょ?』


『わたしの家は
何の問題もないわよ!

わたしが医者に
なりたがってるのは、
沙織だって昔から
知ってるじゃない!』


『どうだか。
ジャーナリストに
なりたいって
言ってた時の
詩織の方が
生き生きしてた…』


『うるさい、黙れ!』




わたしは思わず
沙織の頬を
平手打ちしてました。
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