カラス君と黒猫さん2
「今から何する?」
カラス君はあくびをしながら私を見下ろした。
伏せた長い睫毛が私だけを見る。
内心どきどきしながら、私は平然を保って言って見せた。
「・・・・・・・カラス君の家。」
「もう居るじゃん」
「いいじゃん、ここに居ても」
「・・・・まぁ、いいけど・・・・・・いいの?」
カラス君は苦笑しながら、私の髪を梳いた。
細い指に、私の黒髪が巻きつく。
「カラス君とゆっくりしたいの」
「うん、じゃあ決定。」
カラス君はにっこり笑うと、私の頭を、まるで猫をあやすように撫でた。
うん、猫。
端から見れば、私達はちょっと変わって見えるかもしれない。
高校生らしくないし、付き合い方も夫婦みたいだ。
強いて言えば、主導権がころころ変わるのが、私達の変わってるところかも。
私がカラス君を見下ろしたり、カラス君が私を見下ろしたり、特別片方がえらい、そう言うのが無い。
“友達”みたいな“恋人”なんだ。
友達以上恋人未満、そう言うんじゃなくって、“友達みたいな恋人”。
束縛なんてないし、自由きままに付き合う。
この関係、なかなか私自身も気に入ってる。