恋人は王子様!?
「菫」
「は、はい…」
「お父さんもお母さんも裕則君を悪く思ってないさ。嫌いなんてとんでもない」
「ほ、ほんと?」
「あぁ、そうでなかったら、今日、お前を裕則君の看病させないさ」
「……」
「そりゃ、あの事は裕則君が軽率だと思うが…まさか、お前に聞かれるとは…お前とはあまりに親しかったから、軽い冗談のつもり…あの時の女性を傷つけない為って気持ちもあったろうし」
「由美さん?」
「あぁ、由美さんっていうのか?一応その時、裕則君と付き合ってた人だろ」
「う、うん」
「真剣に裕則君のことを思ってたろうし…軽い冗談でやり過ごそうとしたんだろうな。裕則君も、まだ20…大人って云えば大人だが、まだまだ若かったし…まさか中学生のお前に…って裕則君も苦しんだろうし…」