恋人は王子様!?
階段を上がり裕ちゃんの部屋へ―
……ッ!
入るなり…抱きしめられる。
「ひ 裕ちゃん…」
「ちょっとだけ…」
「うん…」
裕ちゃんの胸に顔を埋める。
……
…
懐かしい裕ちゃんの匂い。
――
―
ようやく離して
「ずっとこうしたかった」
「……」
「菫のいない二年半…淋しかった」
「…裕ちゃんの馬鹿」
私の顔を覗き込み
「菫?」
「裕ちゃん…が…あんな事…云わなかったら…ずっと一緒にいれたんだよ」
「…菫……お前も淋しかったか?」
「裕ちゃんの事は…心の奥底に封印したの。嫌われてると思ってたから…」
涙が流れてきた。
「菫…」
再び抱き寄せられ
「裕ちゃん」
「ん?」
「ほんとに嫌いじゃないよね、邪魔じゃないよね。…裕ちゃんの横にいていいんだね」
「ん…当たり前だ。ずっと俺の横にいろ」
「うん…」
裕ちゃんが私の頬を両手で挟み…
……
…
そっと…キスを落とした。