恋人は王子様!?
「あ、これ…アメリカ土産」
「あ、そうだ。アメリカ行ってたんだってね」
「…お前、知らなかったのか?おじさん達は知ってたみたいだけど」
「……」
「…ん?」
お土産を開ける振りをして下を向く。
「菫」
「…裕ちゃんの事は、聞かないようにしてたから」
「……」
「お父さん達が話してたとしても…すぐ席を立ってたから」
「……」
「裕ちゃんの事を聞くと…どうしても思い出すから『鈍いガキ…邪魔』」
「菫、もういい!止めろ」
「ヒック…ヒック…ゥ…ゥウワァ…」
また、磧を切ったように涙が溢れた。
裕ちゃんに抱きしめられて
「菫…ごめん…ごめんな…菫はガキじゃないから…」
耳元でずっと囁いていた。