恋人は王子様!?
過去の記憶
「あら、おかえりなさい」
「ただいま」
自分の部屋に入り
ベッドに倒れ込む。
な、何なのよ。
何が王子様になるのよ。
頭がどうかしてるんじゃない?
――
―
私と蓮見裕則は―
父親同士が友達で、子供の頃からの知り合い。
それだけなら何ともなかったんだけど、
私が中学一年の三学期
父親が海外転勤になり、期間が二年間だから私は日本に残り、両親だけが行った。
いくら何でも一人暮らしは無理なので蓮見家に預けられ。
私が中学一年生。
蓮見裕則が高校三年生。
私にとって蓮見裕則は『 裕ちゃん』 で、一人っ子の私には小さい時からお兄ちゃん。
大学受験で忙しいのに勉強もみてくれて、頼りにしていた。
その頃から、裕ちゃんはイケメンで、モテてた。
裕ちゃんが大学に入り、私は二年生。
受験から解放された裕ちゃんは、よく遊びに連れてくれた。
大学に入って、ますますモテてガールフレンドもたくさんいて
でもいつも私を優先してくれて
親と離れて淋しいだろうと気を使ってくれてた。
いつも小さい頃のように
「姫、姫」って…
勉強の楽しさを教えてくれたのも裕ちゃんだった。
だから成績もよかった。
両親は三年の夏休みに帰って来て、私は蓮見家から離れ父親の仕事の都合で前の家じゃなく、蓮見家からは遠くなり
中学も遠くなったので電車や父親に送ってもらってた。
でも、裕ちゃんは、やっぱり遊んでくれたり、受験勉強をみてくれて。