恋人は王子様!?

過去の記憶




「あら、おかえりなさい」


「ただいま」


自分の部屋に入り
ベッドに倒れ込む。

な、何なのよ。


何が王子様になるのよ。


頭がどうかしてるんじゃない?


――





私と蓮見裕則は―


父親同士が友達で、子供の頃からの知り合い。


それだけなら何ともなかったんだけど、
私が中学一年の三学期

父親が海外転勤になり、期間が二年間だから私は日本に残り、両親だけが行った。


いくら何でも一人暮らしは無理なので蓮見家に預けられ。


私が中学一年生。


蓮見裕則が高校三年生。


私にとって蓮見裕則は『 裕ちゃん』 で、一人っ子の私には小さい時からお兄ちゃん。


大学受験で忙しいのに勉強もみてくれて、頼りにしていた。

その頃から、裕ちゃんはイケメンで、モテてた。


裕ちゃんが大学に入り、私は二年生。


受験から解放された裕ちゃんは、よく遊びに連れてくれた。

大学に入って、ますますモテてガールフレンドもたくさんいて


でもいつも私を優先してくれて


親と離れて淋しいだろうと気を使ってくれてた。


いつも小さい頃のように


「姫、姫」って…


勉強の楽しさを教えてくれたのも裕ちゃんだった。


だから成績もよかった。


両親は三年の夏休みに帰って来て、私は蓮見家から離れ父親の仕事の都合で前の家じゃなく、蓮見家からは遠くなり
中学も遠くなったので電車や父親に送ってもらってた。


でも、裕ちゃんは、やっぱり遊んでくれたり、受験勉強をみてくれて。



< 9 / 215 >

この作品をシェア

pagetop