恋人は王子様!?



「…裕ちゃん、ヤキモチ妬いてくれて…ありがとう」


「……菫」


「私だけが妬いたんじゃないって分かって…嬉しい」


「えっ?」


「クラスの女の子達に囲まれてる裕ちゃんに…ヤキモチ…妬きました」


「菫? お前、全然無視してたじゃないか」


「だ、だって…嫌だったから…女の子に囲まれて、嬉しそうにしてる裕ちゃんを見るのが」


「ば、馬鹿」


菫の方を向き、抱きしめ


「嬉しいわけないだろ」


「ほんと?」


顔を上げて、聞く。


「当たり前だ」


「うん」


再び、胸に顔を埋めてる。


「菫」


キスしようとしたら


「駄目!」


俺の口に手を…


俺から離れて


「帰らなきゃ」


「……」


鞄を手に取り


「ありがとうございました」


丁寧にお辞儀をして…教室から出て行った。


……





フッ!


くそ真面目な奴!


てか、アイツの方が小悪魔だろ!


はぁ~





*蓮見裕則side 終*



< 91 / 215 >

この作品をシェア

pagetop