2人のCendrillon
2人のCendrillon

「朝だよー、起きてー!」
その明るく元気な声に私は目を覚ました。
「おはよ♪早く顔洗っておいで?朝ごはんできてるから!」
彼女は言うと、ばたん、と扉を閉めて出ていった。
「…全く、朝から元気だ…」
嬉しさ半分、呆れ半分で私は言い、そうして顔を洗いに洗面所へ向かった。

「はよっ☆」
「おはよう」
リビングに行くと、朝食が用意されていた。
「…美味しそう」
「でしょ?ほら、早くしないと冷めちゃうよっ♪」
促されるまま座ると、箸(はし)を渡された。
「さ、食べよ?」
いただきます、声を揃えて言って、私は卵焼きに箸をつけた。
「…何?」
ふと相手の視線が気になり尋ねると
「いや、乃愛(のあ)って必ずたまごやきから食べるんだな〜、って」
好きなんだね♪、微笑みながら返された。
「うん。…だって琉華(るか)が作る卵焼き美味しいんだもん」
大好き、私が告げると相手はえへへ、と笑って
「琉華たん特製、元気モリリンたまごやきだよん♪」
と言った。
「…ご飯食べ終わったらちょっと出掛けない?」
「ふぇ…お出かけ?」
私が琉華の台詞を軽く無視して言うと、琉華が不思議そうに首を傾げた。
「うん。折角の休みなんだし久しぶりにショッピング行かない?」
すると琉華は、ぱぁっ、と明るい表情になり、うん!、と頷いた。

「ん、すごいいい天気…」
外に出ると、真っ青な空が広がっていた。
「うん!絶好のお出かけ日和だね☆」
行こっ、琉華は言って私の手を握った。

「乃愛〜、この服とかどうかなぁ?」
私が琉華の方を見ると、琉華はピンクのフリルがついたワンピースを持っていた。
「いいんじゃない?あんたに似合うと思う」
私が言うと、乃愛は嬉しそうにはにかんで
「えへへ//かわいいよねこのワンピ♪」
と言った。
「…私は、これにしようかな…」
呟いて私が手に取ったのは、黒地にドクロのロンTだった。
「うん♪乃愛によく似合うと思う!」
カッコイイ、琉華はニッコリ笑って言った。
「……乃愛は、やっぱりそういうのが似合うね」
レジに向かう途中琉華がポツッと呟いた。
「ありがとう。琉華はロリータ系が似合うよね」
私が言うと琉華はニコッと笑い、
「ありがとう」
と言った。

「ん、おいしー♪」
ちょっとした休憩に
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