『多良家』の嫁☆〜お隣BOY☆続編〜
炊飯器の悲劇
私は今…


公園のベンチに腰掛けてます。


と、言うのも…



―30分前


「おはよう、歩來ちゃん」

朝から爽やかな笑顔のお母さんは、私に…


「ご飯ついでくれる?」


と言いました。


「あ、はい…」


しゃもじを片手に炊飯器の蓋を開けると…


モワ〜


炊きたてのご飯の香りが私の顔を覆いました。


うっ…


胃から何かが…!!


込み上げて来る…


押さえ込んだ…!


が、込みあげて…


来たー!!


「う…おぇ…」



ほんとに多良家の皆さん申し訳ありません…!


朝食は…抜いて下さい…



私はそっと炊飯器を閉じました。


「歩來ちゃん?ご飯ついでくれる?みんな待ってるから…」


お母さんの言葉に私はだんだん冷や汗をかき始めた。

石のようになって動かない私の様子を多良家のみんなが不思議そうに見ています…


お母さんは困った様子で私の手からしゃもじを取りました。


「じゃあ私するから…歩來ちゃん座って…」


どうしよ…
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