ROCK YOU!

ふとそう言われて、黙って手を差し出した。


すると、けいたろは嬉しそうに私の手を握る。


…でっかい手。


けいたろの手首にじゃらじゃら付いてるアクセが時に私の手に触れる。



「けいたろさぁ、最近私の事"姫"って呼ばないよね」

「おう。純希が和って呼ぶからさ?対抗してみた」


やっぱり、ちょっと悔しいじゃん

と、笑うけいたろ。



…けいたろは

いつも、こうやって感情をハッキリ表してくる。

手を繋ぐ事もそう。抱きしめてくる事もそう。


それに、いつまで経っても答えられない私。


たまにとても苦しくなる。


「和、前見ねーと危ない」


ぐい、と肩を寄せられた。


「あ、ごめん」









「けいたろ?」



肩を抱いたまま、けいたろは動こうとしない。


「けいたろ?」
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