優しいなんて、もんじゃない



お前と一緒にするなという意を伝えたかったのだが。


男、ユウは「こんにゃく?」と首を傾げて困惑した顔をしていた。今のは私のミス。



「嬉しいな。このままお店に行こうかなあ。」

「…好きにすれば。」

「でも、今日はダメなんだよな。」

「(じゃあ言うなよ。)」



私はユウを押し退けるようにしてレジへと並ぶ。


深夜だからか。気怠げな「いらっしゃいませ」を聞きメニューへと目を走らせる。



「…照り焼きバーガーとポテトのMとバニラシェイクS。」

「はい、ご注文は以上でよろしいですか。」

「あ、はい…」

「後、ポテトのL1つとナゲット1つ。俺もバニラシェイクSー。」



私の横に並んだユウは、勝手に注文を付け足してきた。睨み付けるが目元が見えないから、効果はない。


店員さんが少し困った顔をして、だがすぐに「はい」と言って頷く。




< 58 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop