秘密のキスをしたとしても。


「じゃ、ご飯食べたら薬飲んで寝なよ。安静にね」


「う、うん!…あ、部活の邪魔しちゃってごめんね…」


「大丈夫。もう下山途中だったから!じゃあね」


眩しいくらいの笑顔を見せ、お兄ちゃんはゆっくりドアを閉めて行ってしまった。


また静けさが部屋に広がる。


….お兄ちゃん。お兄ちゃん──。


頭の中がその言葉でいっぱいだ。




お兄ちゃん────。


やっぱり私はお兄ちゃんが好きです。


やっぱり気持ちを伝えたいです。


今の環境を壊してまで伝えたい事?


なんて質問されたら、今の私なら


yes。


と答えるだろう──。





**────この気持ちをお兄ちゃんは


受け取ってくれますか──?


それとも…突き放しますか──?


    




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