恋の施し


一晩眠らず考えたことはこうだ。



“私から郁を振る”



……一番これが郁にとって最良の選択だった。


久谷さんにとったら私は嫌で仕方ないだろう。
私のせいで郁との関係がこじれてしまうかもしれない。


私の考えは――滑稽に思えるかもしれない。


でも、コレが郁にとっても久谷さんにとっても1番の方法だと思うから。



雪音は郁を好きだけど、私の好きとはちょっと違う。

だからきっと久谷さんにとっては私が邪魔で面白くない存在なんだ。


昨日の無表情や何を考えているのか分からない笑顔もこう考えれば頷ける。







「郁、おはよう」




朝の登校時間。
家の前で待ってくれている郁に挨拶をした。

出来るだけいつもと変わらない感じを出して。




「……隈できてる。どうしたんだ?昨日早く帰ったのと何か関係ある?
しかも電話繋がらねーし」





――…だけどやっぱり郁は鋭い。




「あぁ、ゴメン。もう昨日は使わないと思って電源切っちゃってた。
何でもないよ。ありがとう。それより郁、話があるんだ」






こういう話は怖じ気づく前に話してしまった方が良い。





「話?」
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