恋の施し
「私、郁が好きなの」
やっぱり。
「それで付き合うことになったからこれからは郁に近づかないでね」
良かった。
郁、幸せになれたんだ。
「お見舞いとか行って…………って何、笑ってるの!?気持ち悪い!」
私が笑顔を浮かべている事を変に思ったのか、久谷さんは何とも失礼な事を私に言ってくる。
きっと、久谷さんは私が悲しむとでも思っていたんだろう。
私が郁の事を好きな事は、結構知れ渡っているはずだから。
でも、私にはそれよりも大切な事があるんだよ、久谷さん。
「ねぇ、お見舞いに行った時、柚希君に会った?」
さっきお見舞いに行ったって言ったから、郁の弟君に会ったかもしれない。