オサナナジミ
▽第1章

9年間の想い


高1冬


ピンポーン

「はい」
「学校。遅刻するよ」
「今いくから、ちょっと待ってて」



あたしの片想いわ
今年で9年目。
あたしたちわ
さすがにインターホンごしで
話す様になった。
さすがにね、(笑)


ガチャ


あれ?
また伸長のびた?


「おはよ」

前髪の隙間から見える
透き通った瞳が
すらっとした鼻筋が
あたしを捕らえるかの様に…

って!あたしすごい変態じゃん!何語ってんだし!


「りか?どうかした?」
翔があたしの顔を
覗きこむ。

「な、何でもない」
「顔赤いぞ」
「は、は、はあ?早く学校いこ!」


翔わくすっと笑って
自転車にまたがった。
あたしわいつもと同じ様に翔の後ろに座る。
重いと文句を言われながらもここに座るあたしの勇気すごくない?ね?ね?

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