オサナナジミ
冬の寒さわどんどん
増していって、
極寒の朝の風が
あたしの頬をきる。
翔わ学校がそろそろ見える頃ブレーキをかける。

「はい、着いたよ」
「せんきゅ!」

校門の少し前の緩やか坂で降ろしてくれる。
二人のりわ一応校則違反だからね。
先生達に見つからない様にっていう翔の気遣い。だけど、1度でいいから下りたい…いつか、二人で…

「じゃ後で」
「うん」


細く笑うと
翔わたちこぎをして
校門をくぐっていった。


「おーはよ、里佳子」
「はよ!」

同じクラスのはるひ。
あたしとはるひわ親友のなかの親友。
門の前でだいたいはるひに会う。

「今日帰りにどっかよらない?」
「いいね!どこ行く?」
「うんとね、オケしてプリ撮って、……」


駐輪場で翔を見つけた。
いつも左から3番目に止める。翔の事なら何でも知ってる。
好きな色だって、
好きな食べ物だって、
何でも
何でも。


「里佳子聞いてる?」
「え、あ…うん!」

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