カフェオレ

私はペコリと小さく会釈し、さりげなく微笑んだ。


「春日塔子です。」

「綺麗なお嬢さんだね、マスター。」


五十嵐さんは、からかうみたいに笑う。そして軽く腰を上げて私に会釈を返してくれた。


「五十嵐です。ここのコーヒーとマスターが僕のお気に入りなんだ。」


渋い叔父さんとは違い、穏やかな紳士のような五十嵐さん。

こんなにも優しく笑える人は、そうそう居ないと思う。
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