五人の王子に仕えしは
席に戻ればみんながいた。それは、組が違う花折君もだ。
「おっつかれー! マジ最高だったぜ! 蓮があんな熱いの初めて見た!」
そう真っ先にニコニコ笑顔で言ってきたのは和真君だ。
「うっせえよ」
「蓮クン照れてるー?」
「和真、殺されたいのか?」
「ヒッ……」
いつものやり取りに思わず笑みが零れる。
「先輩! おれの応援…聞こえました?」
「え! まってごめん、聞こえなかった」
「えー……ショック」
「司咲は声小さいから。鈴奈ちゃん、よく頑張ってたね。ずいぶん派手に転んでたみたいだけど怪我しなかった?」
「うん、なんとか! ちょっと足首捻ったけど、もう出る競技もないし」
「……! 鈴奈せんぱい、足、捻ったの……痛い? だいじょうぶ?」
「うん全然平気だから。平気だから、花折君、担いで保健室持ってこうとするのやめて、降ろして」
この子って本当突拍子もないことするよね突然……。
噂のイケメン五人衆が集ってるものだから自然と辺りがざわついている。
イケメンとツーショットを撮りたそうな女の子たちがちらちらとこちらの様子を伺うのと同時に、私を忌々しそうな目で見る。
へへ、良いだろう良いだろう。
……なんて、たまには調子に乗ってみようかと思ったけど虚しかった。
そんな輪に加わらないでこちらをじっと睨んでくる人がいた。
それは、ファンの女の子じゃない。奏君である。