輪廻転生

川勝の理不尽な過去

翌日、川勝は屋上に1人でいた、川勝は過去を思い出していた、川勝は生前、普通の家庭に生まれ、生活していたが、小学3年の時、信号無視の乗用車とぶつかりそうになり、チンピラ風の男を注意したところ、鉄パイプで暴行され、さらに男は乗用車で何度も轢いていた、男は5年後に逮捕された、川勝は一命はとりとめたが全身麻痺の状態となり母親の介護を受けていたが男の逮捕から2週間後に亡くなった、そこに祐太郎がやって来た、川勝は祐太郎に自分の生前について話した、祐太郎は川勝を連れてパソコン室に、川勝「阿部さん」祐太郎「事件に向き合って転生してほしい」川勝「分かった」祐太郎は川勝の事件を調べた、事件は1971年4月○日、福岡県○○市、加害者は当時27歳の男、男は殺人未遂容疑で逮捕されていたが川勝の死亡で福岡地検は死亡は事件の後遺症が関連していると判断し殺人罪での起訴に踏み切った、男は犯行動機について注意されたのが気に入らなかったという理由だった、極めて短絡的で身勝手なものだった、公判で男は謝罪するつもりはないと被告人質問で述べている。祐太郎「ひどい、許せないよ、コイツ」1977年7月20日、福岡地裁は死亡との関連性を認め、犯行は身勝手かつ残忍で悪質で同種の服役前科、傷害罪で懲役10月(重傷の後遺症無し)があり更生は困難だが男の両親が川勝の遺族に1億8000万円の損害賠償を支払って示談が成立しているとし無期懲役の求刑に対し懲役19年を言い渡し、祐太郎「19年、はぁ、ふざけてんの」川勝「祐太郎」弁護側と検察側が控訴し翌年6月6日、福岡高裁は死亡との関連性について一審判決を踏蹴し主文を後回しにして判決理由で示談は男の両親と遺族の間に成立したもので、遺族は男に厳罰を望んでおり、男の反省も不十分とし懲役19年とした一審判決を破棄し求刑通り無期懲役判決を下した、男の弁護人は上告手続きをしたが9月27日、男は上告を取り下げ無期懲役が確定した、祐太郎「ふん、無期でも甘いわ」川勝「私、転生したら生前出来なかったこといろいろやりたい、中学、高校にも行きたいな、中学にも行けなかった、神様はひどいよね、どうして私がこんなひどい目に遭うの」祐太郎「ひどくない」川勝「どうして納得できないよ」祐太郎「ひどいのは犯人なんだ、俺はお前がどんな障害を抱えていても最後まで付き合うぜ」祐太郎「川勝、がんばってこいよ、諦めなければ道は開けるんだ、アクセル全開の本気モードで死ぬ気で突っ込め」川勝「祐太郎ありがとう」川勝は消滅した。川勝は人間に転生した。
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