輪廻転生
霊界審判

死別した妹との出会い

建物内は至って普通の造りだった、建物内にも審判所への案内があった、案内通り進むと、一番奥の部屋に審判室と表記された部屋があった、江崎「ここか」、ドアを開けると。1人の少女と帽子を被った若い男がいた、祐太朗が真っ先に声を上げた。祐太朗「あもしかして理子」理子も気が付く、理子「お兄ちゃん」2人が抱き合う、理子「お兄ちゃん、どうしてここに?」祐太朗「オレさ事件に巻き込まれて、歌手デビューまであと2週間のところで逝ってしまったんだ」理子「そんな」祐太朗「ごめん、理子、歌手になれなくて」江崎が若い男に話し掛ける、江崎「あんたがここの王か」子閻魔「その通りだ、自己紹介が遅れたが、ワシが霊界の王である子閻魔でよろしくな」、佐藤「なるほど」大山「で、そこの可愛らしい女の子って、阿部の妹なのか?」祐太朗「あぁ俺の妹、理子」理子「よろしく」江崎「理恵、恋敵出現だな」佐藤「‥‥‥」大山「可愛い」、祐太朗「理子、あれから2年以上どこにいたんだよ」、子閻魔「ワシが話そう、阿部理子は死後すぐに祐太朗たちがいた世界から霊界にやってきた。理子は霊界で審判を受け転生する前に黄泉の地で休息してからにしたいと申し出があったため、黄泉の地に行かせていた」、江崎「なんだよ、黄泉の地って」子閻魔「黄泉の地は転生前のいわゆる待機場所じゃ、まぁお前たちがいた世界と違い戦いは一切ない。平和なところじゃ」子閻魔「理子が黄泉の地で休息してから1年たった頃、事態は急展開したのだ」祐太朗「俺が死んだことか?」子閻魔「そうじゃ、霊界としても祐太朗の死は予想外だった、祐太朗にはそのまま歌手として成功してもらいたかったからな、前世の兄妹の死はあまりにも兄妹にとって無念で理不尽だった」祐太朗「なんだよそれ」子閻魔「そこでワシは兄妹そろって人間に転生させてやり直させるために慌てては黄泉の地から理子を呼び戻し、祐太朗が霊界に来るのを待たせていたというわけさ」江崎「そんな事情があったのか」
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