ナルシストの華麗なる恋愛講座
ツンデレ疑惑をかけられた私は、とりあえず弁当を食べることに集中する。
弁当を食べるときですら、バラとキラキラを背景にする成瀬に、私はげんなりとする。
そんな私の視線に気付く成瀬。
「葉月…」
「……なに」
「そんな表情で僕を見つめるなんて……相思相愛なのだね!」
「ちょっと地獄に落ちてきてくれる?」
どんな時もナルシスト。
というか、勘違い野郎だわ、イタいわ、色んな意味で。
未央は変わらずニヤニヤしてるけど。
「そういえばさぁ、葉月と成瀬君って、毎日一緒に帰ってるんでしょー?」
「そうなのだよ!」
「ストーカーされてるだけだけど?」
「仲良いわね!」
「そうなのだよ!」
「待って待って待って!…どこが!?」
今日も今日とて
慌ただしく過ぎ去っていく日常。
私は、こんな日常は案外キライじゃない……と思う。