ナルシストの華麗なる恋愛講座
自室に戻った私は全ての手紙を、専用の箱に入れる。
とりあえず、成瀬シネと思った。
麻美さんに対して、とんだ恥曝しだった。
「なんて恥ずかしいコト書いてくれてんのよ…」
どうせ『美』にこだわるアイツのことだから、文章も美しく!とかなんとか言うんだろうけど。
ベッドにゴロンと転がって、照明以外に何もない天井を見つめる。
「……眩し」
照明の強い光から逃れるために目を閉じたら、いつの間にかうたた寝をしていた。
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―――――…
目を開けて、針の大分動いた時計を見てから、ようやく寝ていたという自覚ができた。
「葉月ちゃーん!ご飯出来たわよー!」
「…今行くー」
下に降りると
「あ、きたのねー。食べましょ食べましょー」
「……」
しゃもじを持ったまま待っている麻美さん。
……古典的だなぁ。
夕飯はとても美味しかった。いつものことだけど。