冬に降る涙の雨。


「着いたよ。」
「あ…う、うん。」

車のドアを開けると、目の前には学校。
……知らない、学校。


「……ここ、どこ?」
私の通ってる学校じゃない。カナちゃんの学校?

「え?高校?」
サラッと答えるカナちゃん。

いやいや、高校なのは分かったけどさ…


「カナちゃんの職場…?」
「うん、まぁそんなトコかな?」


さっきから何?
カナちゃん、疑問文ばっかりじゃん。


どうして、ハッキリ教えてくれないのだろうか。

どうして、私をココに連れて来たの?




「さ、中に入るよ」
そう言って私の手を引くカナちゃん。

そんなカナちゃんに、ちょっとだけ胸が高鳴ったのは、秘密。


……聞かない。
そう約束したから。

私は待つ事しか出来ないけど、カナちゃんを信じてるから。



話して、くれないかな………





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