コルニクス

地球上の万物を無にする核兵器。

それを起動させるカエルムを手に入れるというこの間の俺の任務は、
持ち主であるシアンさんが亡くなっていたことを理由に失敗に終わった。

この遠征は、その罰といってもおかしくはない。

「ニヒル・レーギアに何をしに行くのですか」

恐る恐る問う俺の操縦桿を握る手は汗ばんでいた。

「見学だ」

け、……は?

思ってもみない解答に拍子抜けした。

でもシアンさんには娘がいて、

娘はどこかで生きていてそのカエルムを持っている可能性があって、

その娘は俺の知っているあの子かもしれなくて、

もしビンゴなら、あの子が持っていた母親の形見は俺が今首から提げているわけで。

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