コルニクス

その俺がこれからニヒル・レーギアに行くことは、相当まずい。

だから、こわい。

俺の推理のすべてが見事に外れてくれればいいんだ。

シアンさんの娘は俺の全く知らない子で、

俺が持っているラピスラズリのはまった鍵なんぞはただのペンダントにすぎなくて。

それならなんの問題もありゃしない。

ニヒル・レーギアにコルニクスを近づけ、降り立つ。

コルニクスは他の2機と共につないでおいた。

屋根から壁から床から扉から柱まで。
すべて眩しいほど真っ白な空間。

けがれが無く清らかな時空に飛ばされてしまったかと錯覚するくらいの純白に、
異世界への扉を見いだしたい衝動に駆られた。

静かな宮殿を進む。

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