年下彼女に負ける俺-1-
「もっと早く助けてよ…聡ちゃん。」


「ごめん。気づくの遅れた。」



バカ…と言いながら、彼の胸に顔を埋めた。

その瞬間涙が溢れてきて、聡ちゃんのワイシャツが濡れてしまった。



恐怖から抜け出した安心感から流れた涙なのか、よくわからない。





でもまさか、私の左側にいた眼鏡をかけてた20代のサラリーマンが、聡ちゃんだったなんて…。


それだけで、すごく嬉しかった。





でもなんで今日は眼鏡?

いつも聡ちゃんはコンタクトなのに。



そしてなんで電車?

いつもは車で通勤のはず。




私は聡ちゃんの胸に顔を埋めながら彼に聞いた。
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