高天原異聞 ~女神の言伝~
 ほどなく、神直毘と大直毘は月の宮に向かう途中の茂みの近くに膝を着いている月神を視つける。

「月読様!!」

 呼ばれて、月神は駆け寄ってくる二柱の兄弟神に気づく。

「兄上方……何故此方に……?」

「国津神の名代として参ったのです」

「お加減が優れぬご様子、我らにお任せを」

 言うなり、神直毘が月神を抱き上げる。
 抗う気力のない月神は、神直毘から伝わる陽の神気を受けながら、大直毘に先導され月の宮へ運ばれる。
 神直毘が月神を褥へと運び入れ、大直毘が誰も入れぬよう結界を敷く。
 褥へ下ろされた月神は、咄嗟に膝を着いてにじり寄り、神直毘の首元に腕を回して縋り付く。
 このまま身体が離れては、陽の神気が伝わらなくなる――無我夢中だった。
 そうして抱きついたまま少しでも神気を受けようとする月神を、神直毘は愛しげに抱きしめ返す。

「陽の神気が足りぬのですね」

 大直毘が月神の沓《くつ》を脱がす為に、月神の背後から脚に触れる。
 触れた手から、陽の神気が伝わる。

「ああ……」

 その心地良さに、月神は喘ぐように息をついた。

「ならば、我らの神気を」

 神直毘の言霊に、月神は何故と問うことも忘れ、神直毘の頭を引き寄せ唇を合わせた。
 舌を絡め合い、貪るように求めるも、弱った意識の中で何かが違うと感じていた。

「兄上……足りませぬ……」

 荒ぶる神の神気と違って、二柱の神の神気は弱い。
 女体であった月神の身体を一夜で元に戻すほどの陽の神気は、肌を重ね、唇を重ねていても得られない。

「では、もっと」

 神直毘は再びくちづけながら上衣を脱いで、月神の上衣も脱がせ、肌を合わせる。
 沓を脱がせ終わった大直毘は一度褥を離れ、程なくして手に香油を持って戻ってきていた。
 向かい合って抱き合う月神の背後に回り、美しく白いその背中に手を触れ、神気を伝える。
 くちづけを受けながら、その白い背中がびくびくと震えた。

「そう、もっと」

 呟くなり、大直毘の手は前に回り、月神の腰帯を解き、褌を引き下ろした。
 滑らかな双丘を描く臀部が露わになると、香油を手に取り、指につける。
 香油に濡れた指が月神の双丘に隠された秘所を探り、後腔に入り込む。

「ああ……っ、何を」

 突然の仕打ちに身を仰け反らせるも、蠢く指は奥まで入り込む。
 指とともに陽の神気が入り込み、痛みや違和感よりも心地良さが勝った。

「ここに陽の神気を注げば良いのです」

「そんな……ああっ……」

 指が月神の感処を探り当てると、艶めかしく腰が揺れる。
 香油を注ぎ足しながら三本の指が月神の頑なな秘部を解していく。

「いや、あ……んっ、ん――――っっ!!」

 喘ぎは神直毘のくちづけに呑み込まれ、一際強く感処を嬲られた月神は、大直毘の指を締め付けながらついには達した。

「……っ、ぅっ」

 初めて後腔を犯され達した月神の下肢にはすでに力が入らない。
 俯せに倒れ込み、びくびくと震える身体。
 その痴態を神直毘と大直毘はじっと視つめていた。
 だが、徐に大直毘が月神の腰を抱え上げる。
 大直毘はすでに張りつめていた己の欲望にさらに香油を塗り込んで、柔らかく解れた月神の後腔へ突き立てた。

「ああぁ――――――っ!!」

 下肢を貫く衝撃に、月神は叫んだ。
 逃げようと上半身を起こすも、神直毘が目の前に座り込み、再び唇を重ねて陽の神気を流し込む。

「月読様、さあ、我らの神気を」

 神直毘が抵抗できない月神の上半身を抱きしめる。
 抽挿を繰り返す大直毘と月神の喘ぎを塞ぐ神直毘に挟まれ、陽の神気を受ける月神の裸身は艶めかしく淫らで美しい。
上と下から注がれる神気を貪りながら、月神は兄弟神に犯され続けた。





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