スリーポイント
背中に変な汗が流れて。
それと同時に、嫌な記憶が蘇った。
──あんたなんて、ゴミ以下で十分じゃない?
「……果歩?」
「っあ…!ご、ごめんなさい…っ!!」
バッと勢いよく立ち上がり、台所を走り出る。
やだ、もう。
私、なんて…生きてる価値なんか、ない。
涙が滲み、我慢出来ずにこぼれる。
視界の隅にお母さんの呆然とした表情を捉えながら、私は家の外へ出た。
いつもの私なら、絶対に外へなんか出なかった。
なのに、この時の私は…無性にバスケットゴールを見たくなったんだ。