Sugarless -君だけがいた時間-
「楓は朝子のことが好きだったんだね」
頭に浮かんだ言葉を、私はそのまま口にした。
「だから……こんなに朝子の写真ばっかり撮ってるんだ」
「そんなんじゃないよ。あいつの走ってる姿が絵になるから、ただそれだけの理由」
「そうかな」
そうだよ、と楓は言った。
「ねえ楓」
「ん?」
「やっぱり……私のことは撮ってくれない?」
「今んとこはね」
「楓、前に言ったよね。私はリアルじゃないって。どうゆう意味?」