Sugarless -君だけがいた時間-

そういえば、北海道は夏でもやっぱり涼しいんだろうか。そろそろ朝子が旅行から帰ってくる頃だ。

私たちは学校が休みの日に、まめに連絡をとったりしない。遊んだりもしない。このくらいの距離感が、私にとっては好ましい。


そんな感じで淡々とすごした夏休みの間に、実は、3人の関係は大きく変化していた。

私がそれを知ったのは、2学期に入ってからだった。




「付き合うことになったの、私たち」


始業式のあと。頬をピンク色に染めて、朝子が言った。


「私たち……って?」

「私と、」

「俺」


朝子の隣の、楓が言う。

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