赤い狼と黒い兎
遠い昔の記憶だなー。
というか、変わってないな何も。
顔触れは変わったとしても、倉庫自体は変わってない。
ちっさい頃書いたヘタイ落書きとか残ってんのかな〜?
…ってあるわけないか。何年前の話だっつうの。
「馨〜?」
「何してんの。早く早く!」
『…昔からいろんな奴になつかれたよな〜』
なんて独り言を言って亜稀羅とひまに駆け寄った。
昔はあれだっけ?笑ってたからかな?
つーか昔って笑ってたか?その記憶すら危ういな。
「馨、さっきからぼーっとしすぎ」
「そのうち転けるよ〜?」
クスクスと笑う亜稀羅に手を取られ引かれる。
反対からはひまに繋がれ、なんか身長的にあたしが一番小さい。
当たり前なんだけど、でもひまとはあんまり身長差ない。
2㎝…くらいかな?あっても。