空からの届けもの

 剣、ハッとする。また話が逸れる。


「と、いうことで。すぐにその力は発揮される。きっと、この旅を通して」


 テトラ、しばらく考えてハッとする。


「旅?旅って……いろんな所に行く、あれ?」


「いや、目的は決まってるから、いろんな所は行かないけど。
どれくらいかかるか分からないから、旅だね」


「え……そのヒメって人がいる所、そんなに遠いの?」


 ここで剣、ちょっと躊躇う。でも、苦笑気味に白状するのだった。


「実はさー、その姫のいる古城ってのが、どこにあるのか分からなくて」


 ――今、なんと?


「だから、姫の居場所は分からないんだ。あ、でも当てずっぽうじゃないよ。ここからずっと北にある森……いや、山のどこかだから」


テトラは知っている。その山のことを。


「そこって……魔物とか山賊とかいっぱいいる、しかもなんか変な空間の、あそこ?」


「あーうん。魔物いるし、山賊さんいるね。自然の結界もあるね」



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