水に映る月
 

「純ちゃん。」


不意に、慧が呼んだ。


「なに?」


食器を片し終わったあたしは、彼の傍に行った。


「散歩、行かへん?」


「散歩?」


「ん、イヤか?」


慧と一緒なら、なんだって嬉しい。


「行きたい。てか、行こ♪」


あたしは、ロンTの上にパーカーを羽織って、玄関へと向かい、急いで靴を履いた。


 
< 188 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop