水に映る月
∮07 夜空の月に
 

食事を進めながら、ふと感じたことを訊いてみた。


「ねぇ、ケイちゃん。ケイちゃんって、昔、ワルかったん?」


彼が学生だった頃のこと、知りたいと思って‥。


「なんで?」


「なんとなく。ケイちゃんって、ちょっと危険な匂いがする♪」


慧は切れた唇で、ニッて笑うと


「ワル自慢なんかは、ヘタレのすることや。昔パシってたヤツがするねん。ま、オレも今はパシりやけどな。」


って、言った。


「パシり?ケイちゃんが?」


「そ♪てか、純ちゃん。ドレッシング沁みるから、サラダ残していい?口ん中、切れてるからな。」


「うん。」



食事を済ませた後、あたしは食器の片付けをして、慧は、テレビを見ていた。


 
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