水に映る月
あたしは、慧を見つめた。
慧は、一瞬、哀しい笑みを見せ、バスルームへと歩を進めた。
「ケイちゃん!」
咄嗟に彼を呼び止めた。
それ以外に選択肢は無い。
そんな心境で‥。
「逃げよ!あたし、ケイちゃんとなら、何処までだって行く!だから、逃げよ‥。」
最後の言葉は、哀しみに込み上げて来る涙で詰まったけど‥。
あたしは彼に、そう言った。
慧は、首を横に振った。
「オレには、純ちゃんを巻き込むことは出来へん‥。」
思い詰めたような表情で答えて、彼は、あたしの傍に戻って来た。
「純ちゃんには、全部話す。そのつもりで帰って来たのにな。ごめんな‥。」
ベッドの縁に腰掛けた慧は、これまでの彼の罪を、静かに語り出した。