水に映る月
 

三十分が過ぎ、一時間が経った。

けれど、慧からは何の連絡も無くて‥。


不安になり掛けた時、手のひらの中でケータイが振動した。


慌てて受信フォルダを開けた。

寒さにかじかんだ指が言うことを聞かなかったけど‥。


届いたメールを確認する。


『メリクリ
 この前はごめん』


サトルからのメールだった。


彼には悪いと思いながらも、あたしは返信せず、ケータイを閉じた。


 
< 349 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop